◇特長
○子どもの個性や主体性を尊重した保育
法人の「みんな違ってみんな良い」「個々の違いを認めて尊重する」という考え方を大切に、服装の好みや文化の違いによる希望や嗜好などについて、日頃から子どもを尊重した保育に努めている。子どもが主体的に遊べるように、おもちゃを自由に取り出せるような工夫をしたり、子ども一人ひとりが自由に作品などを展示できる専用スペースを設け、子どもの「やってみたい」「見てほしい」気持ちを尊重する取り組みをしている。障がいのある子どもと他の子どもを同時に保育することで、人を気遣う気持ちや、障がいを受け入れる気持ち、社会性を育む保育を実践している。職員は、人権研修に参加し研鑽の機会をもち、子どもを尊重した保育を大切にしている。
○おいしく食べることへの取り組み
「食育年間計画」が作成され、年齢ごとのねらいや内容、配慮が明示されている。
園庭では園児がナス、ピーマン、サツマイモなどを栽培しており、収穫後は給食で提供されている。また、年4回の「クッキング保育」は、子どもたちの楽しみの一つとなっている。献立は、法人本部がある宮崎市の管理栄養士が中心となり、公立・私立保育園で3ヶ月毎に作成されるものを用いている。給食検討会で食材の形態やメニューなどについての意見交換を行い、調理に活かす工夫をしている。調理室はガラス張りで、香りを楽しみ、調理の様子が見えるようになっており、子どもたちが「今日は何だろう」とのぞく様子がある。給食のサンプルを置いたり、「給食だより」「献立表」を情報通信技術(ICT)を通じて配信して保護者との連携を大切にしている。
○安全・安心な保育環境
「感染症マニュアル」などを法人内の看護師が中心となり整備し、法人の研修や園の職員会議で周知している。職員が園庭の除草作業や石拾いなどをしており、清潔で安全な状態に維持している。遊具や水道設備などを打診や触診で確認し、安全チェックリストを用いて園内外の点検を行っている。また、AEDの使用について毎月自主訓練を行っているほか、食物アレルギー疾患のある子どもの避難時に、除去食品ごとに色を定めた専用ベストを用意したり、体調が急変しやすい子どもの情報を各クラスで周知するなど、災害時も含めた緊急時に備えている。
◇今後期待される点
○長・中期的なビジョンを見据えた職員参画による事業計画の策定
3~5年後のビジョンと、計画の実施状況の評価を行うことができるように数値目標や具体的な成果を盛り込んだ「中・長期計画」の策定が期待される。その下で、職員の参画を通じて実施状況を振り返り、単年度の「事業計画」を策定する工夫が期待される。併せて、策定を通じて職員の意欲向上が図られることが期待される。
○保育の質の向上に向けた組織的な取り組み
クラス毎や行事の後に振り返りを行うとともに、年度末には行事全体の自己評価を行っている。さらなる保育の質の向上に目指して、今回第三者評価の受審に至った。園の運営や保育全般にかかわる評価項目や基準を定め、全職員の参画により継続した評価、分析の実施が期待される。併せて、課題に対する取組を、日常的な保育の質の向上に活かす工夫が期待される。
○保育を担う職員一人ひとりの育成
人事考課の仕組みがあり、業務の振り返りの機会がある。また、職員を対象にした「意向調査」で一人ひとりの意向を確認し、風通しの良い職場環境を工夫している。園としての「期待する職員像」を明示するとともに、人事考課の仕組み、加えて、保育の改善や専門性の向上につながる項目を工夫した「自己評価表」の作成と定期的な実施、及び面接を通して、職員一人ひとりの目標を設定し、自らの将来を描けるよう工夫が期待される。
○情報の公開を通じて運営の透明性の確保
法人のホームページ上で、「法人の理念」や、園ごとの「苦情解決公表」に苦情内容と園の対応を掲載し公表している。園のホームページを整備し、園の理念や基本方針、保育内容、年度事業計画及び事業報告、第三者委員が関わっていない苦情・相談の件数や対応についてもわかりやすく公表することが期待される。併せて、事故やヒヤリハットなどについても発生内容や対応について公表することが期待される。